訪問して美容をするということ


訪問美容師のイメージは?

老人ホームなどに訪問しておじいちゃんもおばあちゃんも短くバリカンで!!

みたいなイメージがあります

俗に言う 「特養カット」ですね

実際、未だにそのような現状も多いです

自分も訪問美容を始めてからようやく2年ほど経ちました

当初はそのような

「訪問美容のカットはただ単純に短くなればいい」

といった考え方には困惑があり、

またそのような美容師に反発心が強かったことを思い出します。

ただ、いろいろな訪問美容の現場に当たらせて頂き分かったこと

  • 多くの介護施設では時間との戦いです、何人のご依頼があっても昼食の時間までには必ず終わらせないといけない カットのご依頼だと1人で10名前後になるかな
  • 現場の職員さんたちは本当に本当に大変で忙しく、こちらが思っているようなこだわりもあまり重要視されなくって 一人一人のヘアスタイルの確認などは行わないことが多く あとから短過ぎたとか長すぎたとかとゆうトラブルも多い
  • どうしても痴呆などが入るのでわがままなお爺ちゃま、お婆ちゃまなのですが、突然怒られたりすることも(広い心がないとできない)
  • 半分以上は車椅子上であったりベットで寝ているためとてもカットしにくい サロンでカットさせていただく環境とは程遠く 思ったとうりのカットにならない


よくありがちな訪問美容のキャッチコピーで

  • 訪問美容でお洒落になって心も体も元気になってほしい!
  • いつまでもかわらず綺麗でいてほしい!
  • 一人ひとりの尊厳や主張を大事に高齢者でもお洒落に…
  • カットした後の笑顔がみたい

と色々あります

自分のhpでも同じようなキャッチコピーを書いてます実際に

そんな単純な話ではなかったな

と今は感じています

実際には現場ではいろいろなことが起こります

  • 自分がカットされたか?どうかも分からない(カットした後の笑顔は無い)
  • お洒落なんて二の次 頭が洗いやすいように短くしてほしい要望が多い(特に職員さんからの要望が多い)
  • カット中に噛みつかれる(これが一番びっくりした)
  • 突然、痛いと泣き出すこともありました

ここまで聞くと大変かな?と思われるかもしれませんが

正直、私がやっている訪問美容は序の口です 

私が訪問させて頂いている施設は

グループホームやケアハウスなどが多く 

難易度はかなり低いです 

美容師であれば足りないところはあっても

どうにかこうにかこなせるレベルです。

私が開業当初に教授頂いた

訪問美容のプロフェッショナル集団

同伴させていただいたことがありますが、

老人医療施設などでは

ベット上でのカットはもちろん

半身不随の方や呼吸器を装着の方 

障害者施設などでは

突然裸になったり

走り出したり 

シザーケースからハサミを取られたり

といったこともあります


簡単に訪問美容と言ってもランクがあり

全ての美容師が対応できるレベルと

一歩間違えたら大怪我をさせてしまう危険なレベル 

鍛錬と危険を察知する心構えで望まなければ到底無理なレベル

があります

理想とは程遠い現状ではあります

これから訪問美容師を始めたいと思っている方がもしいらっしゃれば、

覚悟して臨まなければ現実とのギャップにやる気を持っていかれることもあります。

だけど、だからと言って訪問美容が嫌いな訳ではないです

やはり髪を整えることにより、清潔感を与えることはできると思いますし

全員ではなくともニコっと笑顔をいただけることや「ありがと」のお言葉をいただけることも多いです

美しく容姿を整えるのが語源の美容師ですから当然ですよね!